ADMIN TITLE LIST


Recent entries
2008/11/16 (Sun) 人外ですから
2008/11/02 (Sun) おひさすぶり!!
2008/07/29 (Tue) 夏休みに
2008/05/10 (Sat) 市立の文化祭~
2008/02/17 (Sun) 今!!
2008/02/15 (Fri) クッキー☆
2008/02/01 (Fri) さむいねむいしにそ

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


お爺さんはお婆さんの話を一通り聞いたあと、家の中を見回しました。


畳はズタズタ。
壁はボロボロ。



物という物がぐちゃぐちゃに散乱している部屋の隅では、(動くらしい)巨大茄子が静かに転がっています。

 
お爺さんのまいほーむは、まるで盗賊か何かに襲われたかのような状態になっていました。

いや、盗賊でもここまで荒らしはしないでしょう。


予想ガイな事が多過ぎて、お爺さんの脳の機能はほぼ停止しました。

「………………」

放心状態のお爺さんに向かって、お婆さんはおもむろに言いました。

「……。爺さん、あれ、どうするかねぇ?」

その言葉で少し我に返ったお爺さんは、お婆さんの手元を見ました。
お婆さんの指は巨大茄子を指差しています。


「…。あれ、動くんじゃろう?」

「えぇ。すばしっこいのなんのって」

「ばかに大きいのぅ…」

「食べ応えがありそうですよねぇ」
何故か誇らしげなお婆さん。

「…………………」
その横でゲンナリするお爺さん。


(あんな変な物は早く捨ててしまいたいのぅ…)

お爺さんからすれば、巨大茄子が妖怪か何かに見えて仕方が無いのです。
いたって普通の反応です。

(じゃが、せっかく婆さんが拾ってきたしのぅ…)

と、優しいお爺さん。
お婆さんの事をちゃんと考えています。

きっと今までもこのような流れでお爺さんはお婆さんに尻に敷かれてきたのでしょう…


黙り込んだままのお爺さんに対して何も気にせず、お婆さんは話を続けました。
「お爺さん」

「なんじゃ?」


「茄子はやっぱり煮物ですかねぇ?」


「…。………!?」


そっち!?
調理方法を聞いてたのか!?


お爺さんは驚きました。

やはり、お婆さんの頭の中には“夕食を作る事”しか無かったのです。
未だに。


何かが激しく間違っている気がしましたが、かといって何を言う事も出来ないお爺さんでした。


お爺さんの沈黙を(何故か)肯定と受け取ったお婆さんは、再び出刃包丁を握り締め、巨大茄子ににじり寄っていきました。


その姿は、まるで戦場の最前線へと赴く生き残った兵士のようです。

その雰囲気に圧倒されたお爺さんは、やはり見守ることしか出来ませんでした。


たとえ、お婆さんが茄子に飛び掛かる勢いが半端では無かったとしても。

たとえ、巨大茄子が本当に自分で動き、逃げ出したとしても。



お爺さんにはもう驚く体力も残っていませんでした。

 

数分後、誇らしげな顔のお婆さんの左手には、ヘタを掴まれた巨大茄子がぶら下がっていたのでした。

 

○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●


つづく。

スポンサーサイト


















管理者にだけ表示を許可する


| HOME |


Design by mi104c.
Copyright © 2017 美部ろぐ!!, All rights reserved.




上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。